高級寿司店で味わう、繊細な出汁の世界
高級寿司店で味わう、繊細な出汁の世界
私たちの店では出汁に対するこだわりが非常に強く、利尻産の昆布を使用しています。出汁の抽出プロセスは前日の夜から始まり、約8〜10時間水出しを行います。この長時間水出し後に、昆布を一気に約80度まで加熱し、その温度を1〜2時間維持しながら出汁を引きます。この際、湿度や昆布の旨味の出具合を注意深く監視し、最適なタイミングで鰹節を加えます。
出汁へのこの深いこだわりは、私が京都で和食の修行を積んだ経験に基づいています。お客様も、京都での修行経験を持つ私から高品質な出汁を期待されています。味噌汁やお吸い物など、一見、他の素材の風味で隠せるかもしれない料理においても、私たちは決して妥協しません。春には蛤、夏には鱧、冬にはクエなどを使用した料理を提供し、シンプルな塩味だけで完璧な味わいを実現します。出汁が素晴らしければ、それだけで料理が際立ちます。
出汁の品質を保つためには、昆布の味や色が過度に出ないように慎重に温度管理を行います。毎日、輝く黄金色で透明感のある出汁を引くことを心掛けています。そして、コースの最初の方に季節に応じた温かいお椀をご提供し、美味しい出汁でお客様が胃を落ち着かせ、最高級のお寿司を召し上がって頂くようにしております。